相続した実家は「売る」「貸す」「そのまま」?判断基準|品川区・武蔵小山エリア版
2026/09/30
親から実家を相続したものの、「売るべきか、貸すべきか、それともそのままにしておくべきか」で悩まれる方は少なくありません。武蔵小山エリアでも、相続後しばらくたってから当社にご相談にいらっしゃるケースが増えています。
この記事では、実家を『売る』『貸す』『そのままにする』という3つの選択肢それぞれのメリットと注意点、判断のきっかけになる考え方、そして相続登記の義務化との関係について整理します。
実家を「売る」「貸す」「そのままにする」、まず何から考える?
誰がその家を使うのか、維持費を誰が負担するのかを最初に整理することが、判断の出発点になります。
相続人全員の意向を確認する
相続人が複数いる場合、1人だけの判断で方向性を決めてしまうと、あとから意見の食い違いが表面化しやすくなります。早い段階で全員の意向をすり合わせておくことが大切です。
維持費・管理の負担を試算する
固定資産税、火災保険、庭木の手入れなど、家を維持するだけでも一定の費用がかかります。誰がその費用を負担し続けるのかを、具体的な金額でイメージしておくと判断がしやすくなります。
「とりあえず保留」のリスクを知る
結論を急ぐ必要はありませんが、判断を先送りにし続けると、次に述べる相続登記の義務化など、思わぬところで期限に追われることがあります。
「売る」を選ぶときに知っておきたいこと
売却は選択肢を最もシンプルに整理できる方法ですが、タイミングや要件によって税負担が変わってきます。
相続した空き家の特別控除
相続した家屋を空き家のまま売却する場合でも、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」の要件を満たせば、最高3,000万円の控除を受けられる可能性があります。ただし要件が細かく、期限も定められているため、当社にご相談いただくか、税理士等の専門家に確認しながら進めることをおすすめします。
所有期間で変わる税率
売却で利益が出た場合の税率は、所有期間が5年を超えるかどうかで20.315%か39.63%に分かれます。相続した不動産の所有期間は、被相続人が取得した時期から通算して数えられる点も押さえておきたいポイントです。
相続登記が済んでいないと売却できない
不動産の名義が亡くなった方のままでは、原則として売却手続きを進めることができません。売却を検討し始めた段階で、まず名義変更の手続き状況を確認することをおすすめします。
「貸す」を選ぶときに考えたいこと
賃貸として活用すれば収益につながる可能性がありますが、管理の手間や入居者対応が長く続く点も踏まえて検討したい選択肢です。
修繕・リフォームの初期費用
築年数が経った実家をそのまま貸し出せるケースは多くなく、水回りの修繕や設備の更新などに一定の初期費用がかかることがあります。
空室リスクと管理の委託
入居者が決まらない期間は収益が発生しない一方で、固定資産税などの維持費は変わらずかかり続けます。管理会社に委託する場合は、その手数料も見込んでおく必要があります。
あとから売却したくなった場合
入居者がいる状態での売却(オーナーチェンジ)は、空き家の状態で売却する場合と比べて、買主の層や価格の付き方が変わってくることがあります。
「そのままにする」を選ぶとどうなる?
判断を先送りにすると、管理が行き届かなくなったり、相続人間で負担が偏ったりする状況が生まれやすくなります。
空き家のまま維持するコスト
住む人がいなくても、固定資産税や光熱費の基本料金、庭木の手入れなどの費用は発生し続けます。
相続登記の義務化との関係
相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請が義務付けられています。正当な理由なく手続きを怠ると、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。3年以内に遺産分割がまとまらない場合は、相続人申告登記という簡易な手続きで義務を果たしたとみなされる制度もあるため、状況に応じて活用を検討できます。
将来的に選択肢が狭まる可能性
時間が経つほど建物の傷みが進んだり、相続人がさらに増えて意見をまとめにくくなったりすることがあります。「まだ決めなくていい」という状態が、実は選択肢を狭めていることもあります。
判断に迷ったら、まず現状把握から
「売る」「貸す」「そのまま」のどれが正解ということはなく、ご家族の状況によって最適な選択は変わります。
査定を受けてから考えても遅くない
今の家がどのくらいの価格で売れるのか、賃貸に出す場合の相場はどうかを知ってから検討を始めるご相談者様も多くいらっしゃいます。数字が分かることで、家族での話し合いも進めやすくなります。
武蔵小山エリアでのご相談から
武蔵小山エリアでは、実家じまいをきっかけに複数のきょうだいで話し合いを重ねながら方向性を決めていくご相談を多くお受けしています。品川区・城南エリア全体でも同様の傾向が見られます。
Q. 相続した実家に誰も住んでいませんが、売却時に3,000万円の控除は使えますか?
A. 「相続した空き家の3,000万円特別控除」という制度があり、要件を満たせば適用できる場合があります。ただし要件が細かいため、当社にご相談いただくか税理士等の専門家にご確認いただくことをおすすめします。
※本記事の内容は2026年(令和8年)時点の情報です。詳細は税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
執筆:津島祐一(有限会社豊商事不動産 代表取締役)
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP/住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士/J-REC公認不動産コンサルタント/J-REC公認相続コンサルタント
品川区戸越で昭和40年(1965年)に創業し、3代にわたり城南エリアの不動産を扱っています。売却のご相談は、売ると決める前の段階から承っています。代表あいさつ
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