誰も住まない実家、売る・貸す・持ち続けるを比べる|空き家の3つの選択肢(荏原・戸越エリア版)
2026/11/06
「実家を相続したが、誰も住む予定がない」。荏原や戸越エリアの空き家のご相談でも、すぐに結論を出せず、時間だけが過ぎてしまう方が多くいらっしゃいます。
結論から言うと、空き家の実家には『売る』『貸す』『持ち続ける』の3つの選択肢があり、費用と手間、将来の使い道を比べて選ぶのが基本です。この記事では、それぞれの特徴と判断の順番を整理します。
空き家の実家には、どんな選択肢があるのか
まず、3つの選択肢の全体像を押さえます。
売る|現金化して、管理の負担をなくす
売却すると、まとまった現金が手に入り、管理や固定資産税の負担もなくなります。相続人が複数いる場合も、現金にして分けやすい点が特徴です。
特に、相続人の住まいが遠方に分かれている場合は、管理を誰が担うかで負担に差が出やすく、売却して分ける方が話しやすいケースが多くあります。
貸す|収入を得ながら、所有を続ける
賃貸に出せば家賃収入が見込めます。ただし、修繕費、空室のリスク、入居者への対応など、運営の手間と費用が発生します。
築年数が古い家では、貸し出す前に水まわりや屋根、外壁の確認が必要になることがあります。賃貸に出したあとも、設備の故障や退去時の原状回復など、予定外の出費が起こり得ます。収支を見立てるときは、家賃収入だけでなく、これらの費用も含めて考えてください。
持ち続ける|将来の利用に備える
自分や家族が将来使う可能性があるなら、持ち続ける選択もあります。ただし、維持費と管理の手間は続きます。
持ち続けると、どんな費用と手間がかかるのか
住んでいなくても、家は維持費がかかり続けます。
毎年かかる費用
固定資産税などの税金、保険料、水道や電気の基本料金などが、使わなくても発生します。庭木の手入れや草刈りの費用がかかる場合もあります。
劣化の進み方と、近隣への影響
人が住まない家は、風通しが悪くなり、傷みが進みやすい傾向があります。雨漏りや雑草の繁茂が近隣に影響することもあるため、定期的な見回りが大切です。
空き家は、郵便受けにたまったチラシや伸びた庭木から、人が住んでいないことが外から分かりやすくなります。近隣の方に連絡先をお伝えしておくと、何かあったときに知らせてもらいやすくなります。
遠方にお住まいで管理が難しい場合は、負担が大きくなりがちです。
売るか貸すかを判断する3つの視点
売却と賃貸で迷うときは、次の視点で比べてみてください。
建物の状態と、必要な改修費用
築年数が古い家を貸す場合は、入居者が決まるまでに改修費用がかかることがあります。改修費をかけてどのくらい回収できるかを、事前に見立てておく必要があります。
将来の使い道があるかどうか
近いうちに家族が住む予定があるなら、賃貸も選択肢になります。一方、使う予定がなければ、売却して他の目的に資金を回す考え方もあります。
相続人全員の考えが揃っているか
相続人が複数いる場合は、全員が納得する方針が欠かせません。意見が分かれる場合は、売却額の見込みや維持費を並べて話し合うと整理しやすくなります。
売却するときに確認しておきたい手続きと特例
売却を選ぶ場合は、登記と税金の確認が必要です。
相続登記は先に済ませる
相続登記は2024年(令和6年)4月1日から義務化されました。不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が必要で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になる場合があります。
空き家を売却するときの特例
相続した空き家を売る場合、要件を満たせば、最高3,000万円まで譲渡所得から控除できる特例があります。要件が細かく、期限もあるため、必ず事前に確認してください。
この特例は、売却するだけで自動的に適用されるものではなく、翌年の確定申告で手続きをする必要があります。売買契約を結ぶ前に、要件に当てはまりそうかを専門家に確認しておくと、後から慌てずに済みます。
2026年(令和8年)時点の情報です。詳細は税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
決めるまでの間に、やっておきたいこと
結論がすぐに出なくても、状況を悪くしないためにできることがあります。
家の状態を定期的に確認する
換気、通水、郵便物の整理、庭の手入れなど、最低限の管理は続けたいところです。写真を残しておくと、売却や賃貸を考えるときの状態確認にも役立ちます。
家財の整理を少しずつ進める
売却でも賃貸でも、荷物の整理は避けて通れません。思い出の品は急がず、貴重品や書類、大型の家具から、無理のない範囲で少しずつ進めると負担が軽くなります。
家族や相続人と情報を共有する
管理の状況や費用の見込みは、相続人の間で共有しておくと安心です。誰がどこまで担うのかを決めておくと、後からの行き違いを防げます。
よくある質問
Q. 売るか貸すか決められないとき、まず何をすればいいですか。
A. まず、今の家の価値と、貸した場合・売った場合の見込みを確認するのがおすすめです。数字が揃うと、判断しやすくなります。
荏原・戸越エリアで実家の活用に悩んでいる方は、選択肢を並べて比べるところから始めてみてください。
執筆:津島祐一(有限会社豊商事不動産 代表取締役)
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP/住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士/J-REC公認不動産コンサルタント/J-REC公認相続コンサルタント
品川区戸越で昭和40年(1965年)に創業し、3代にわたり城南エリアの不動産を扱っています。売却のご相談は、売ると決める前の段階から承っています。代表あいさつ
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