離婚で住宅ローンが家の価値を上回るとき|オーバーローンの整理手順(武蔵小山・中延エリア版)
2026/11/04
「離婚することになったが、家を売ってもローンが残りそう」。武蔵小山や中延エリアでも、離婚と住宅ローンの悩みが重なったご相談をいただくことがあります。
結論から言うと、売却価格より住宅ローンの残債が多い『オーバーローン』でも、選べる道はあります。ただし、名義とローンの契約内容によって進め方が変わるため、最初に事実を整理することが大切です。
オーバーローンとは、どんな状態なのか
まず、言葉の意味と、なぜ離婚の場面で問題になりやすいのかを確認します。
売却価格が残債に届かない状態
オーバーローンとは、家を売った代金で住宅ローンを完済できない状態のことです。売却価格より残債が多いため、差額が手元に残ってしまいます。
一般に、購入から年数が浅い場合や、頭金が少なかった場合に起こりやすいと言われています。
離婚で問題になる理由
離婚では、家をどうするかを決めるだけでなく、ローンの返済を誰が続けるかも決めなければなりません。ローンの名義は、離婚しても自動的には変わらないことに注意が必要です。
最初に確認したい名義とローンの契約内容
進め方を考える前に、次の3点を事実として確認します。
家の名義は誰か
登記簿で、家の名義が夫・妻・共有のどれなのかを確認します。共有名義の場合は、持分の割合も確認してください。
ローンの名義と、連帯債務・連帯保証の有無
ローンの借り手は誰か、夫婦で連帯債務や連帯保証の関係にあるかも確認が必要です。離婚後に住まない側が連帯の立場に残ると、返済が止まったときに影響を受ける可能性があります。
現在の残債と、家の価値の目安
金融機関の残高証明で正確な残債を確認し、あわせて査定で家の価値の目安を知ります。差額がどの程度なのかが分かると、選択肢が見えやすくなります。
たとえば、名義は夫のみでローンは夫婦の連帯債務、といった組み合わせは珍しくありません。『名義の人だけが責任を負う』とは限らないため、登記簿と金融機関の契約書の両方で確認することが大切です。
オーバーローンの家をどうするかの選択肢
状況に応じて、主に次のような選択肢が考えられます。
自己資金などで差額を補って売却する
預貯金などで差額を補い、売却してローンを完済する方法です。完済すれば抵当権を外して引き渡せるため、手続きとしては最も整理しやすい方法です。
住み続ける人がローンを引き継ぐ
どちらかが家に住み続け、ローンを返し続ける方法です。ただし、名義や借り手を変えるには金融機関の承諾が必要になり、必ず認められるわけではありません。
金融機関に相談して、別の方法を探す
差額を用意できないときは、返済が滞る前に金融機関へ相談することが大切です。状況によっては、任意売却などの方法を検討することもあります。個別の可否は金融機関や専門家の判断によります。
よくある誤解として、離婚の合意書や公正証書に『ローンは夫が払う』と書けば、金融機関との契約も変わると考えてしまうことがあります。夫婦の間の取り決めと、金融機関との契約は別のものです。合意書を作る場合も、金融機関への確認とあわせて進めると安心です。
早めに相談したほうがよい理由
オーバーローンの問題は、時間が経つほど選択肢が狭まりやすい傾向があります。
返済が止まる前に動くと、選択肢が広がる
返済が滞ってからでは、取れる方法が限られてしまいます。離婚の話し合いと並行して、早めに家の価値と残債を確認しておくと、冷静に判断しやすくなります。
財産分与の話し合いにも数字が必要
財産分与では、家の価値からローンを差し引いた額が話し合いの基準になります。正確な数字がないと、お互いの認識にずれが生まれがちです。
例えば、こんな順番で動く場合
当社の相談では、まず残高証明と査定で『家の価値』と『残債』を並べ、差額の見込みを確認する流れが多くなります。そのうえで、差額を自己資金で補えるか、住み続ける側が引き継げるかを夫婦で話し合い、難しければ金融機関や弁護士に相談します。順番を決めておくだけでも、感情的な議論が減る傾向があります。
売却して得た利益には税金がかかる場合もあります。2026年(令和8年)時点の情報です。詳細は税理士・弁護士等の専門家にご確認ください。
相談する前に準備しておくと進めやすい資料
最初の相談をスムーズにするために、手元にある資料をそろえておくと役に立ちます。すべてそろっていなくても、相談は始められます。
ローンと物件に関する資料
住宅ローンの返済予定表、金融機関からの残高のお知らせ、売買契約書、登記済権利証または登記識別情報などが目安になります。見当たらないものがあれば、再発行や取り寄せの方法を一緒に確認します。
夫婦で共有しておきたい情報
家の名義、ローンの借り手、毎月の返済額、今後どちらが住むのかについての希望を、できる範囲で書き出しておくと、話し合いが落ち着いて進みます。感情的になりやすい場面だからこそ、事実をメモにしておくことが助けになります。
よくある質問
Q. 離婚が決まる前でも、査定を受けて大丈夫ですか。
A. 問題ありません。査定を受けること自体に義務や費用は発生しません。どう動くか決まっていない段階でも、現在の価値を知っておくことは大切です。
武蔵小山・中延エリアで離婚と住宅ローンにお悩みの方は、まず名義とローンの事実を整理するところから始めてみてください。
執筆:津島祐一(有限会社豊商事不動産 代表取締役)
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP/住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士/J-REC公認不動産コンサルタント/J-REC公認相続コンサルタント
品川区戸越で昭和40年(1965年)に創業し、3代にわたり城南エリアの不動産を扱っています。売却のご相談は、売ると決める前の段階から承っています。代表あいさつ
著者・津島祐一の本(Amazon Kindle)
不動産のご相談を受ける中で感じてきたことを、2冊の本にまとめました。
売らなくていい査定(無料・売却前提なし)
売るつもりがなくても大丈夫です。周辺の事例をもとにした机上の価格レンジと、「今は持ち続けるほうがよいか」の見立てをLINEでお届けします。
LINEで物件のことを聞いてみる営業の電話はしません。



