離婚の財産分与で不動産はどう分ける?品川区の売却相談から
2026/11/05
離婚が決まりそうなとき、気持ちの整理と同じくらい頭を悩ませるのが、自宅をどうするかという問題です。旗の台エリアにお住まいの方からも、「売るのか、どちらかが住み続けるのか、何から決めればいいのか分からない」というご相談をいただくことがあります。
この記事では、離婚にともなう財産分与で不動産を分ける3つの方法と、決める順番、税金面の注意点を整理します。結論から言うと、まず『自宅の今の価値とローン残高を並べて見ること』が、話し合いの出発点になります。
財産分与で不動産を分ける方法には何がある?
不動産の分け方は、大きく分けて『売却して代金を分ける』『一方が住み続けて相手に代償金を払う』『共有名義のまま持ち続ける』の3つです。
売却して代金を分ける方法
売却代金からローン残高や諸費用を引いた残りを、夫婦で分けます。現金で分けられるため分かりやすく、離婚後に名義やローンで関係が続かないという点が、この方法の大きな特徴です。
一方で、売却には時間がかかることが多く、離婚の時期と売却の時期がずれる場合もあります。内覧への対応を元の配偶者と調整する必要が出ることもあるため、事前にどう進めるかを決めておくと安心です。
一方が住み続け、相手に代償金を払う方法
どちらかが自宅に残り、不動産の価値のうち相手の取り分に当たる金額を、代償金として支払います。お子さまの学区を変えたくない場合などに選ばれやすい方法です。
ただし、代償金をまとめて用意できるか、住宅ローンの借り換えが通るかが現実的なハードルになります。支払い能力の面で難しいケースも少なくありません。
共有名義のまま持ち続ける方法
名義を変えずに、そのまま持ち続ける方法です。手続きが少なくて済む反面、将来売却するときに双方の同意が必要になり、連絡が取れなくなると身動きが取れなくなるおそれがあります。当社の経験では、あとから問題が表面化しやすい選び方です。
何から決めればいい?考える順番
迷ったときは、次の順番で考えると整理しやすくなります。
1. 自宅の価値とローン残高を確認する
売却した場合にいくらで売れそうかという目安と、住宅ローンの残高を並べて見ます。価値がローン残高を上回っていれば、差額が分け合える財産になります。反対に下回っている場合は、売却しても借入が残る可能性があるため、方針の立て方が変わります。
2. 名義とローンの名義人を確かめる
登記上の名義と、住宅ローンの名義人が同じとは限りません。名義人でない側が住み続ける場合、ローンの扱いについて金融機関との相談が必要になるケースがあります。契約内容は金融機関によって異なるため、早めに確認しておくと安心です。
3. 住み続けたいかどうかの希望を出し合う
お子さまの学校や仕事の都合など、それぞれの事情を先に共有します。住み続ける案が現実的かどうかは、代償金の準備とローンの見通しで決まることが多いためです。
財産分与で不動産を動かすと税金はかかる?
財産分与として不動産を渡す場合でも、渡した側に、不動産の時価が取得費を上回る部分について譲渡所得税がかかる可能性があります。『現金のやり取りが無いから税金も無い』とは限らない点に注意が必要です。
3,000万円の特別控除は使える?
マイホームを売却するときは、要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。離婚で家を出た場合でも、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することなどが要件の一つです。
なお、親子・夫婦など特別の関係がある人への売却は対象外となります。財産分与として相手に渡す場合に使えるかどうかは、離婚の時期や取り決めの内容で変わるため、個別の確認が必要です。適用を受けるには、売却の翌年に確定申告が必要になります。
また、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば、長期譲渡所得として税率は20.315%、5年以下の場合は39.63%となります。所有期間は取得日から売却した年の1月1日までで数える点も、あわせてご確認ください。
判断は専門家に確認を
財産分与の取り決めの内容や、売却するタイミングによって、課税関係は変わります。2026年(令和8年)時点の情報です。詳細は税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
よくある質問
Q. 離婚の話し合いがまとまる前に、自宅の査定だけ受けてもよいですか。
A. 問題ありません。査定は売却を決めるためのものではなく、価値の目安を知るための情報収集としてお使いいただけます。今の自宅がいくらくらいか、ローン残高との関係はどうかが分かるだけでも、話し合いを進めやすくなるケースが多いです。
離婚の場面での不動産の整理は、感情面でも手続き面でも負担が大きいものです。品川区を中心に城南エリアで長くご相談を受けてきた立場から、まずは状況を整理するところからお手伝いできればと考えています。
執筆:津島祐一(有限会社豊商事不動産 代表取締役)
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP/住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士/J-REC公認不動産コンサルタント/J-REC公認相続コンサルタント
品川区戸越で昭和40年(1965年)に創業し、3代にわたり城南エリアの不動産を扱っています。売却のご相談は、売ると決める前の段階から承っています。代表あいさつ
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