相続した実家を売るか残すかで兄弟の意見が割れたとき|遺産分割の3つの方法(荏原・豊町エリア版)
2026/11/03
「私は売りたいが、兄は実家を残したいと言っている」。荏原や豊町エリアの相続のご相談でも、きょうだい間で意見が分かれて話が止まってしまうケースは少なくありません。
結論から言うと、実家をどうするかは遺産分割協議で決め、売却する場合も残す場合も、相続人全員の合意が基本になります。この記事では、意見が割れたときに知っておきたい3つの分け方と、話し合いを前に進める順番を整理します。
相続した実家は、誰が売るかどう決めるのか
遺言がなく、相続人が複数いる場合、実家は遺産分割が終わるまで相続人全員の共有の状態になります。
遺産分割協議が出発点になる
実家を売却するにも、誰かが引き継ぐにも、まずは遺産分割協議で方針を決めます。協議は相続人全員で行い、全員が合意して初めて成立します。
一部の相続人だけで進めることはできません。連絡が取りにくい方がいる場合は、早めに状況を確認しておくと安心です。
先に売却の話を進めてしまうリスク
名義が決まらないまま売却の話を進めると、後から「聞いていない」とトラブルになりかねません。売却を前提に動く場合も、まず相続人の間で方針を共有してからにしましょう。
実家の分け方には、どんな方法があるのか
代表的な分け方は3つあり、それぞれ向いている状況が異なります。
換価分割|売却して現金で分ける
実家を売却し、売却代金から費用を差し引いて、相続人で分ける方法です。誰も住む予定がなく、公平に分けたいときに選ばれやすい方法です。
分け方の割合は相続人の話し合いで決めます。売却にかかる費用や、利益が出た場合の税金の影響も、事前に確認しておく必要があります。
代償分割|誰かが引き継ぎ、ほかの人にお金を払う
相続人のひとりが実家を引き継ぎ、ほかの相続人へ代わりのお金(代償金)を支払う方法です。実家に住み続けたい人がいるときに検討されます。
引き継ぐ人に代償金を用意する資力が必要です。また、実家の価値をいくらと見るかで、金額の話し合いが難しくなることもあります。
現物分割と共有|そのまま分ける、共有にする
建物や土地を現物のまま分ける方法です。また、全員で共有名義にする方法もありますが、将来の売却や管理で再び合意が必要になるため、先送りになりやすい点には注意が必要です。
意見が割れたとき、話し合いを前に進めるには
感情の問題になりやすいテーマだからこそ、数字と事実を先に揃えるのが近道です。
実家の現在の価値を、全員が同じ資料で見る
『実家はいくらくらいなのか』が人によって違うと、話し合いは平行線になります。査定の結果を全員で共有し、同じ数字を前提に話し合うと、整理が進みやすくなります。
売った場合と残した場合を並べて比べる
売却した場合の手取りと、残した場合の維持費(固定資産税、修繕、管理の手間)を、並べて比べます。残す場合は、誰が管理を担うのかも決めておきたい点です。
専門家の力を借りる
話し合いがまとまらないときは、司法書士や弁護士、税理士などの専門家に相談する方法もあります。法律や税金の部分は専門家に任せ、不動産の価値や売却の見通しについては当社のような不動産会社が整理をお手伝いできます。
売却する場合に確認しておきたい税金と登記
相続した実家を売る場合は、相続登記と税金の確認が欠かせません。
相続登記は先に済ませる
売却するには、名義を相続人に変える相続登記が必要です。相続登記は2024年(令和6年)4月1日から義務化されており、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が必要です。
遺産分割がまとまらない場合は、相続人申告登記という簡易な手続きで義務を果たしたとみなされる仕組みもあります。
空き家の特例の要件を確認する
相続した家屋を空き家のまま売却する場合、要件を満たせば最高3,000万円まで譲渡所得から控除できる特例があります。要件が細かく、期限もあるため、必ず事前に確認してください。
2026年(令和8年)時点の情報です。詳細は税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
協議の前に決めておくと進めやすいこと
話し合いの場を設ける前に、次の点を整理しておくと、無駄なやり取りを減らせます。
相続人と連絡先の確認
戸籍で相続人を確認し、全員の連絡先を把握しておきます。遠方にお住まいの方がいる場合は、オンラインでの話し合いや書面でのやり取りも検討してみてください。
話し合いの進め方を決める
いつまでに方針を決めるのか、誰が取りまとめ役になるのかを先に決めておくと、話が止まりにくくなります。
よくある質問
Q. 相続人のひとりが売却に反対している場合、実家は売れませんか。
A. 共有の状態では、全員の合意がないと実家全体を売ることは難しくなります。まずは反対の理由を丁寧に確認し、代償分割など別の選択肢も含めて話し合うことが現実的です。
荏原・豊町エリアで実家の相続に悩んでいる方は、話し合いの前に、まず実家の現状と価値を整理するところから始めてみてください。
執筆:津島祐一(有限会社豊商事不動産 代表取締役)
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP/住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士/J-REC公認不動産コンサルタント/J-REC公認相続コンサルタント
品川区戸越で昭和40年(1965年)に創業し、3代にわたり城南エリアの不動産を扱っています。売却のご相談は、売ると決める前の段階から承っています。代表あいさつ
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