相続した実家を『解体して売る』か『そのまま売る』か|判断基準と注意点(中延・武蔵小山エリア版)
2026/10/28
相続した実家について、「このまま置いておくべきか、解体して更地にしてから売るべきか」というご相談を、中延・武蔵小山エリアでも数多くいただきます。建物の古さや立地によって答えは変わるため、まずは判断の軸を整理してみます。
実際にお話をうかがうと、相続から間もない段階では「とりあえずそのままにしている」という方が多く、解体は何となく後回しになりがちです。しかし、建物を残したまま時間が経つほど傷みが進み、選べる選択肢が狭まってしまうこともあります。
『解体して売る』と『そのまま売る』、何で決まる?
結論からお伝えすると、建物の老朽化の程度と、その土地を求める買主の層によって判断が変わります。建物がまだ住める状態であれば古家付きのまま売却する選択肢が、老朽化が進んでいる場合は解体して更地にする選択肢が有利になりやすい傾向にあります。
古家付きのまま売るのが向いているケース
屋根や基礎に大きな傷みがなく、リフォームすれば住める状態であれば、古家付きのまま売り出すほうが買主の選択肢を狭めずに済みます。「自分でリフォームして住みたい」という買主にとっては、既存の建物が残っていることがむしろ魅力になる場合もあります。
解体して更地にするのが向いているケース
建物の老朽化が進み、耐震性にも不安がある場合は、更地にしてから売却したほうが買主を見つけやすくなる傾向にあります。新築を検討している買主にとっては、更地のほうが着手しやすいためです。中延・武蔵小山エリアでも、駅からの距離や土地の広さによって、更地を求める層からの反応が変わってきます。
土地の形状や周辺の需要によっても変わる
同じ老朽化の度合いでも、土地の形がきれいで建て替えがしやすい場合は古家付きのままでも需要が見込めることがあります。一方、旗状地や高低差のある土地は、更地にして条件を分かりやすく示したほうが検討してもらいやすくなる傾向があります。周辺でどのような住宅が選ばれているかも、判断材料のひとつになります。
解体してから売ることのメリット・デメリットは?
更地にすると買主の層が広がり、早期の成約につながりやすくなる一方、解体費用を売主が先に負担する必要がある点には注意が必要です。
買主が見つかりやすくなる理由
古い建物の解体やアスベスト調査の手間を買主が負わなくて済むため、購入後すぐに建築計画を進めたい層からの関心を集めやすくなります。『更地渡し』と明示することで、問い合わせ段階での検討がスムーズになるケースもあります。
固定資産税の負担が変わる可能性がある
建物を解体して更地にすると、住宅用地としての固定資産税の軽減が外れ、翌年以降の固定資産税が上がる場合があります。売却までの期間が長引くと、この負担も考えておく必要があるため、解体の時期は売却スケジュールと合わせて検討することをおすすめします。
解体費用は建物の規模や構造、立地の条件によって幅があるため、一社だけの見積もりで決めず、複数の解体業者から見積もりを取って比較することをおすすめしています。売却の時期がある程度決まっている場合は、解体工事の着工時期も早めに相談しておくと、スケジュールの組み立てがしやすくなります。
そのまま売る場合に気をつけたいことは?
古家付きのまま売る場合は、建物の状態を正直に伝え、告知すべき内容を整理しておくことが欠かせません。
残置物・設備の扱いを明確にする
家具や生活用品、設備の一部を残したまま引き渡すのか、引き渡し前に処分するのかを事前に取り決めておくと、契約後のトラブルを避けやすくなります。
老朽化のリスクは隠さず伝える
雨漏りや傾き、設備の不具合など把握している不具合は、契約不適合責任に関わるため、買主にあらかじめ伝えておくことをおすすめしています。分かっている範囲を整理して伝えるだけでも、契約後の行き違いはかなり減らせます。
境界や登記の状況も早めに確認しておく
相続した実家は、境界標が見当たらない、登記簿上の面積と実際の広さが異なるといったケースも見られます。古家付きで売る場合も更地にする場合も、境界や登記の内容を早い段階で確認しておくと、買主との契約がスムーズに進みやすくなります。
相続した空き家なら、3,000万円特別控除を使える場合もある
相続した家屋を空き家のまま売却する場合でも、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。解体して土地だけを売る場合でも対象になりうるため、判断の材料として知っておく価値があります。
要件は細かいため、事前の確認が欠かせない
この特例は適用できる条件や期限が細かく定められているため、「要件を満たせば」という条件付きで考え、解体のタイミングも含めて税理士や司法書士に早めに確認しておくことをおすすめします。2026年(令和8年)時点の情報です。詳細は税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
Q. 解体するかどうか、決める前に相談してもいいですか?
A. もちろんです。中延・武蔵小山エリアでも、建物の状態を見たうえで、解体したほうがよいか、そのまま売ったほうがよいかを一緒に整理するところからご相談いただくケースが多くあります。判断に迷う段階でも、お気軽にお声がけください。
執筆:津島祐一(有限会社豊商事不動産 代表取締役)
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP/住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士/J-REC公認不動産コンサルタント/J-REC公認相続コンサルタント
品川区戸越で昭和40年(1965年)に創業し、3代にわたり城南エリアの不動産を扱っています。売却のご相談は、売ると決める前の段階から承っています。代表あいさつ
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