共有名義の不動産を売却する方法と注意点|品川区・中延の相談から
2026/09/06
「兄弟3人の共有名義になっている実家をどう売ればいいのか分からない」——中延にお住まいのご家族から、こうしたご相談をいただくことが増えています。共有名義の不動産は、売却の進め方を誤ると話がまとまらなくなりやすいテーマです。今回は共有名義の不動産を売却する方法と、注意しておきたいポイントをまとめます。
共有名義の不動産は、なぜ発生するのか?
共有名義は、相続や夫婦・親子での購入がきっかけで生まれることがほとんどです。
相続で共有になるケース
親が亡くなり、実家を兄弟姉妹などの相続人が法定相続分に応じて共有で相続すると、1つの不動産に複数の名義人が並ぶ状態になります。遺産分割協議で誰か一人の単独名義にまとまらないまま相続登記だけを済ませてしまうと、その後の売却でも全員の関与が必要になります。
夫婦・親子で購入したケース
住宅ローンを夫婦で組んだ場合や、親子リレーローンを利用した場合も、持分割合に応じて共有名義になります。離婚や住み替えのタイミングで、この共有関係が売却の障害になることがあります。
共有名義の不動産、売却するにはどうすればいい?
共有名義の不動産は、売却の方法によって必要な手続きが異なります。
不動産全体を売る場合は共有者全員の同意が必要
不動産全体を第三者に売却する行為は、民法上「変更行為」にあたり、共有者全員の合意が必要です。一人でも反対すると、原則として不動産全体の売却は進められません。売買契約書への署名・実印の押印も、共有者全員に必要になります。
自分の持分だけを売る「持分売却」という選択肢
一方で、自分が持っている共有持分だけであれば、他の共有者の同意がなくても売却すること自体は可能です。ただし、持分だけの買主は使い道が限られるため、一般の市場で通常の価格で売れるケースは多くありません。当社の経験では、まずは共有者間での話し合いや、他の共有者への持分買取の打診から検討されることをおすすめしています。
共有名義のまま放置すると、どんなリスクがある?
「今すぐ売る予定がないから」と共有名義のまま放置すると、後になって困るケースが見られます。
共有者が亡くなると、さらに共有者が増えていく
共有者の一人が亡くなると、その持分がその方の相続人にさらに分割されて相続されます。世代を重ねるごとに共有者の人数が増え、全員の連絡先を把握することすら難しくなる場合があります。
意見がまとまらず、売却の機会を逃しやすい
売却するかどうか、いくらで売るかについて共有者間の意見が割れると、話し合いだけで長い時間がかかってしまうことがあります。市場の動きが良いタイミングを逃してしまわないよう、早めに方向性を共有しておくことが大切です。
共有名義の不動産を売るとき、税金はどうなる?
共有名義の不動産を売却したときの税金は、共有者それぞれの持分に応じて考える必要があります。
3,000万円特別控除は共有者ごとに使えるケースが多い
売却する不動産がマイホーム(居住用財産)に該当する場合、要件を満たせば共有者お一人おひとりが最大3,000万円までの特別控除を受けられるケースが多く、共有者の人数が多いほど税負担を抑えやすい面もあります。ただし、居住の実態など細かな要件があるため、必ず事前の確認が必要です。
譲渡所得の申告も持分ごとに必要
売却によって利益(譲渡所得)が出た場合の確定申告は、共有者それぞれが自分の持分に応じて行う必要があります。誰か一人がまとめて申告するものではない点に注意してください。
なお、相続した不動産については2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記申請を行わないと、正当な理由なく放置した場合に10万円以下の過料の対象になり得ます。共有名義のまま長く放置している実家がある方は、売却を考える前提として、まず相続登記の状況を確認しておくとよいでしょう。
Q. 共有者の一人が売却に反対しています。それでも売れますか?
A. 不動産全体の売却には共有者全員の同意が必要なため、反対されている状態のままでは進められません。話し合いのほか、反対している方の持分を他の共有者が買い取る方法や、専門家を交えて調整する方法などがあります。
共有名義の不動産の売却は、通常の売却よりも関係者との調整に時間がかかりやすいテーマです。当社は中延をはじめ品川区・城南エリアでのご相談実績があり、共有者の皆さまのご事情を伺いながら進め方をご提案しています。無料査定・売却のご相談はお気軽にどうぞ。
※2026年(令和8年)時点の情報です。詳細は税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
執筆:津島祐一(有限会社豊商事不動産 代表取締役)
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP/住宅ローンアドバイザー/賃貸不動産経営管理士/J-REC公認不動産コンサルタント/J-REC公認相続コンサルタント
品川区戸越で昭和40年(1965年)に創業し、3代にわたり城南エリアの不動産を扱っています。売却のご相談は、売ると決める前の段階から承っています。代表あいさつ


