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入居中のトラブル ◇連帯保証人に対する未払賃料の支払い請求が認められないことってある?

借主さんが賃料を滞納し、支払の意志や改善に向けた対応が見られない場合や、事情があって借主さん本人への請求が困難な場合に、貸主さんとしては連帯保証人に対し未払賃料の支払請求を行うケースが多いと思います。

当然のように、請求は認められるものだと考える事が多いですが、そこで請求が認められないようなケースはあるのでしょうか?

その可能性について今回はご紹介したいと思います。

 

今回のトラブル・質問内容

 

 

貸主のXさんは、借主のYさんとの間で、20年程前に居住用賃貸マンションの賃貸借契約を結びました。

賃料:22,000円/月額

賃貸契約期間:2年間

といった内容で契約締結し、連帯保証人Aさんとの間で連帯保証契約も締結しています。

その後、本件の賃貸借契約は何度も更新を続けていましたが、更新の際に「連帯保証契約」に関しては新たに契約を締結することはありませんでした。

その間に、借主であるYさんは賃料を滞納し、貸主のXさんは連帯保証人のAさんへ滞納している賃料の支払い請求を行ったところ、貸主Xさんと借主Yさんの間でもめてしまった経緯があり、その後貸主Xさんは連帯保証人であるAさんへの支払い請求を控えていました。

そして借主Yさんの賃料未払が約10年分にもなったため、貸主Xさんは本件の賃貸借契約を解除。

そして、改めて連帯保証人のAさんに連絡を取り未払賃料の請求を行ったところ、連帯保証人Aさんは長期に及ぶ未払賃料は支払う必要がないとして支払に応じず争っています。

このような場合、連帯保証人に対する未払賃料の支払請求は認められず、連帯保証人へ請求することは難しいのでしょうか?

 

 

結論

 

 

◇未払賃料の滞納期間や、貸主の連帯保証人に対する対応内容によっては、連帯保証人に対し未払賃料請求の全部、またはその一部が認められない可能性があります

 

今回の案件においては、まず、建物賃貸借契約の際に、“借主の債務を連帯保証した保証人は、賃貸借契約更新後の未払賃料についても責任を負わなければならないのか”がポイントになります。

このことについては、

【賃貸借契約における連帯保証人は、反対の趣旨を伺わせるような特段の事情のない限り、連帯保証人が更新後の賃貸借から生ずる借主の債務についても保証の責めを負う】(平成9年11月13日判決)

と判断しています。

上記より、賃貸借契約における連帯保証人(本件においてはAさん)は原則として賃貸借契約更新後に生じた借主の債務についても責任を負うことになりますが、今回の案件のように“借主が約10年分もの賃料を滞納した場合においても”連帯保証人が未払賃料の支払を行わなければならないとなると、連帯保証人に多大な債務が降りかかってしまう事になります。

そこで、公営住宅の賃貸借契約において、連帯保証人が貸主から約10年分もの賃料を請求された事例で、

【滞納家賃等の額が拡大した場合、その損害の負担を安易に連帯保証人に転嫁することは許されない。借主の賃料滞納の状況について連帯保証人に一切知らせずに放置していた貸主が、連帯保証人に対し、その未払賃料(約10年分)を請求することは権利の濫用として認められない】(平成20年2月21日広島地裁福山支部判決)

と判断した判例があります。

上記の判決は、滞納賃料全額の請求が権利濫用と判断しました。

しかし、ケースバイケースで、滞納賃料額の一部についての請求のみが権利濫用と判断されることもあります。

上記判例のケースでは、“内部的な事務引継上の過失、または怠慢が存在するにも関わらず、その責任を棚上げにしていた”として、公営住宅の対応について厳しく追及していますので、その結果として、滞納賃料全額の請求が権利濫と判断されたのだと考えられます。

そのため、今回のように連帯保証人に賃料滞納の状況を伝えることなく長期間にわたる未払賃料を請求することは、権利の濫用として滞納賃料額の全部、または、その一部の請求が認められない可能性が高いと思われます。

 

 

今回のようなトラブルを回避するためのアドバイス

 

 

賃貸借契約における連帯保証人は、原則として、該当の賃貸借契約が更新した後に発生した借主の債務についても責任を負うことになるため、貸主さんは、賃貸借契約更新後に発生した未払賃料についても連帯保証人へ請求することができます。

しかし前の目次でもお伝えしたように、今回のように借主の賃料滞納の状況について連帯保証人に一切知らせずに長期間に渡って放置していたような場合には、貸主さんの請求の全部、または一部が権利の濫用と判断され認められないこともあります。

そのため、貸主さんとしては、借主の滞納が長期間となり、滞納賃料が高額になるような場合には、その状況をあらかじめ連帯保証人へも知らせることが重要です。

また、前述の判例では、

【滞納額の増加の状況を連帯保証人に適宜通知して、連帯保証人の負担が増えることの了解を求めるなど、連帯保証人に対する措置を行うべきである】

と指摘されています。

また、今回の案件のように賃貸借契約時に連帯保証人との契約更新を行わない事が実際散見されますが、賃貸借契約の更新の都度、連帯保証人から新たに連帯保証人に関する書面を交わし、改めて同意を得ることを徹底しておくことで、更新後の契約については連帯保証責任を負わないという連帯保証人の主張を退けることにつながります。

契約更新後の連帯保証人に関するトラブルは想像以上に多くありますので、トラブルを防止するため、あらかじめできる限りの予防策をとっておくことをおすすめします。

そして、入居後、借主の資力に問題が生じたケースでは、滞納賃料の回収自体が困難となってしまうことが多いので、滞納賃料が高額になり、損害が拡大する前に賃貸借契約を解除し、明渡措置を講じることも検討した方が良いかもしれません。

賃料滞納に関わる連帯保証人・借主とのトラブルでお悩みでしたら早めに専門家へ相談することも大切です。

判断に迷うような場合はぜひ一度、お気軽に当社へご相談ください。

 

 

 

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