03-3783-5621

営業時間:月~土 10:00~18:00
日・祝 定休日

不動産賃貸 更新料、敷金礼金、特約金などに関するトラブル その1 ◇入居者から更新料の返還を要求された場合、返還する必要はある?

こちらでは、引き続き「不動産賃貸契約」によくあるトラブル事例をご紹介していきます。

今回は“更新料”にまつわるトラブルとして、借主から更新料の返還を要求されたケースを取り上げたいと思います。

 

今回のトラブル・質問内容

 

 

大家さんである貸主のAさんは、借主のCさんに対して5年前に

・賃貸期間2年

・賃料 60,000円/月額

の内容で居住用賃貸マンションの一室の賃貸契約を結びました。

本件の契約書には、更新料の支払いについて『借主は貸主に対して、契約の更新に際し、更新の種類を問わず、更新料として新賃料の一ケ月分を支払う』と記載がされていますが、借主のCさんは契約を2回更新し、現在も居住していますが、“契約更新料支払特約は、消費者契約法に違反し無効である”と主張し、既に払った2回分の更新料の返還を求めました。

それに対し大家のAさんは、“更新料の返還義務はない”と主張。

そこが争点となり、裁判に発展してしまいました。

 

 

結論

 

 

借主に対し、更新料を返還する必要はなし】

皆さまよくご存知のとおり、更新料とは、契約期間が終了し、次の賃貸借契約を更新する際に貸主と借主の間で授受される金銭のことです。

民法や借地借家法には更新時に必ず更新料を支払わなければならないという法律の定めがないので、近年、更新料の支払義務を定める特約は、消費者契約法10条に違反し無効となるのかどうかが裁判所で争われることが増え、各地で大きな問題となっていました。

今回の問題に対して最高裁判所は、更新料の法的性質について

◇更新料は一般に、賃料の補充ないし、前払、賃貸借契約を継続するための対価などの趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である

として、その合理性を認めた上で、賃貸借契約に

明確、かつ、具体的に記載された更新料条項は、“更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額過ぎる”などの特段の事情がない限り、消費者契約法10条に違反しないとし、以下(1.~3.)の更新料支払特約はいずれも有効と判断をしました。

(平成23年7月15日 最高裁判決)

 

1. 月額賃料/45,000円、期間/1年、更新料/100,000円

2. 月額賃料/52,000円、期間/2年、更新料/104,000円

3. 月額賃料/38,000円、期間/1年、更新料/76,000円

 

 

今回のケースでは、

・更新時に新賃料の1ヶ月分の更新料を支払わなければならないことが賃貸借契約書に明確に記載されていること、

また、

・2年ごとに支払われる更新料の金額が新賃料の1ヶ月分に抑えられており、期間・金額に照らし合わせた時に、特別に高すぎるといった特段の事情も認められない

上記の点から、更新料支払特約は消費者契約法10条に違反せず有効であり、大家さんは、借主Cさんより支払いを受けた更新料を返還する必要はないと言えます。

 

 

今回のようなトラブルを回避するためのアドバイス

 

 

賃貸借契約を結ぶ際の契約書に明確に記載されている『更新料支払特約』は原則として有効ですが、じゃあどの程度の更新料だった場合に“高額過ぎる”として無効になるのか、といった点が気になるのではないでしょうか。

今回決定された最高裁の判決内容からすると、

★2年に1度の更新

★月額賃料の2ヶ月分の更新料

であれば、消費者契約法10条に違反しない

といった判断基準がある程度読み取れますので、この範囲を守って更新料を設けることをおすすめします。

 

また、今回と同様のトラブルから裁判になった件として、「期間/1年、賃料月額/48,000円」の賃貸借契約に対し、“更新料の上限は年間賃料の2割が相当である”との判決を出し、“これを超える部分については消費者契約法10条に違反し無効である”と判示したケースもあります。

(平成24年2月29日 京都地裁判決)

最終的に上記の裁判は大阪高裁で取り消されていますが、更新料支払特約が無効となるケースもあるといった点を明示した例として、参考にしていただければと思います。

 

こういったトラブルを出来る限り防ぐためには、入居募集の広告や重要事項説明書、賃貸借契約書など、入居希望(予定)者と接する契約の各段階において、更新料の具体的な内容・条件を明確に記載することや、記載だけではなく口頭でもしっかりと伝え説明をすることで、かなりの確率で抑制することができると考えます。

その他にも、賃料・礼金・更新料・管理費などの合計金額を基準として、契約期間に応じた1ヶ月の平均支払額を明示して入居予定者へ説明をしていくこともトラブルを抑制する策として有効ではないでしょうか。

今回のようなトラブルは、実際、いつ起こるかわからないのが実情です。

トラブル事例を知っていただくことで、賃貸経営に関する知識を増やしていただき、より安心でスムーズな賃貸経営をしていっていただくお手伝いができればと思っています。

何かお困りごとがある大家さんはお気軽に、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

 

 

【完全無料】空室を3ヶ月以内に満室にするためのチェックリスト


この無料チェックリストでは、

  • 誰でも簡単に実践できる空室対策アイデア。
  • 入居者に選ばれる空室対策アイテム。
  • 上級者が実践する空室対策のテクニック。

など、空室を満室にするために必要な奥義をまとめました。

是非、このレポートを参考にしていただき、あなたの賃貸物件を満室にしてください。