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賃貸人・連帯保証人の責任に関するトラブル その1 ◇連帯保証人の賃貸借契約更新後の責任について◇

 

今回は、“連帯保証人の契約更新時の責任についての問題”を取り上げてみたいと思います。

契約更新の際、連帯保証人から改めて署名・捺印を取得せず更新手続きを進めている大家さんも中にはいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、そのような更新を続けたことで裁判となった事例をご紹介します。

 

トラブル内容(実例)

 

 

貸主:大家Aさん

借主:Bさん

連帯保証人:Cさん(Bさんの兄)

 

大家Aさんは都内にあるマンションを月額26万円/2年間の契約でBさんへ賃貸。

こちらの契約の期間について、契約書上に「ただし、必要があれば当事者合議の上、本契約を更新することもできる」との条項があり、大家のAさんはこれを“賃貸更新期間”と理解。

契約開始後、2年おきに3回の契約更新がされ、賃料についてはこの間に約7万円増となっていました。

そしてここまでの契約本件更新の際、賃貸借契約書中の連帯保証人欄には“前回と同じ”と記載され、Cさんの署名捺印はなく、大家AさんからCさんへの保証意志の確認も、Cさんの了承もなし。

また、更新の際Bさんには約75万円の家賃滞納があるも大家さんからCさんへは通知がされていません。

その後のBさんの滞納が続いたため、大家であるAさんはBさんに対し更新を拒絶する旨を通知し、連帯保証人であるCさんへBさんが家賃滞納を続けている旨を連絡、そしてBさんはマンションを明け渡しました。

ここで、連帯保証人であるCさんは大家さんに対し「更新後の賃貸借契約基づく未払い賃料などについて、連帯保証人は責任を負わないとして連帯保証債務(約800万円)の不存在確認請求訴訟を提起しました。

 

 

問題点と結論

 

 

第一審

『更新前の契約と更新後の間には法的同一性はなく、別個の契約というべきであるから、更新前の契約に付された担保は敷金を除き特段事情がない限り更新後の契約には及ばない』

【連帯保証人(Cさん)の請求を認容】

 

 

控訴審

大家Aさんと連帯保証人Cさんの間の連帯保証の効力は合意更新後の賃貸借契約にも及ぶとしたうえで、長期に渡る賃料滞納にも契約を解除せず、Cさんにその旨連絡をしないでおいてなされた大家Aさんに対する保証債務履行請求についても信義則に反するものではないとし、第一審を取消してCさんの請求を棄却。

【連帯保証人の請求を棄却】

 

→ これに対し連帯保証人は大家さんの保証債務履行請求は信義則に違反するとして上告

 

上告審

①建物の賃貸借は継続的な契約関係であり、期間の定めのある場合でも抵当な事由を具備しなければ更新を拒否することが出来ず、借主が望む限り更新により継続するのが通常である。そして、保証人となろうとする者も当然予測できるところであり、また、保証における主な債務は賃料債務が中心で、保証人の予期しないような保証責任が発生することはないのが一般的である。

 

②また、期間の定めのある建物賃貸借において、借主のために保証人が貸主との間で保証契約を締結した場合には、反対の趣旨をうかがわせるような特段事情がない限り、保証人が更新後の賃貸借から生じる更新後の債務についても保証の責任を負う趣旨で合意がされたものと理解するのが相当であり、保証人は貸主において保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められる場合を除き、更新後の賃貸借から生ずる借主の債務についても保証の責任を免れない。

 

③本件の場合、前記の特段の事情がうかがわれないため、本件保証契約の効力は更新後の賃貸借にも及び、大家Aさんにおいて保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認めるべき事情もない子本件においては、連帯保証人Cさんは保証の責任を免れない。

【連帯保証人の上告を棄却】

 

◆ 結論 ◆

期間の定めのある建物賃貸借契約において、借主の保証人として連帯保証人となった場合に、契約更新時に連帯保証人の了承がなくても特段の事情がない限り更新後に借主が賃料を滞納し生じた債務についても保証の責任がある。また、貸主が借主の連帯保証人に対し滞納家賃等の通知が遅れても、その請求が信義則に反しない。

とされました。

 

 

今回のようなトラブルを防ぐために必要なこと

 

 

 

今回の裁判においては、第一審の時点では賃貸契約更新時にしっかりと連帯保証人に継続の意志を確認しなかったことが原因となり、連帯保証人は契約更新後に発生した家賃滞納分(債務)の支払義務はないとされ、連帯保証人に債務請求ができない状況(大家さん側が困ってしまう結果)となってしまいました。

最終的には大家さんからの控訴審、連帯保証人からの上告審を経て、最終的に連帯保証人の請求が棄却され大家さんの要求が通るかたちとなりましたが、もし一審後に大家さん側が控訴をせずにいたら・・・?

連帯保証人に借主が滞納した家賃の支払い請求は行えず、大家さんが泣き寝入りする結果にもなりかねませんでした。

 

今回の判決では契約更新時に連帯保証人の意志確認、署名・捺印が行われていなくても連帯保証の効力は有効と判断されましたが、そこに至るまでには長い期間と裁判を進めて行く上で必要な弁護士費用や諸々の支出というリスクが伴います。

同じような条件下であっても、事情が少し違うだけで判決が変わる可能性も大いにあります。

そのため、今回の判例に頼ることはせず、賃貸借契約更新に伴う必要な手続きとして「連帯保証人への保証意志確認」「連帯保証人の署名/捺印」は必ず行うということを心がけていただきたいと思います。

 

さらに、家賃滞納はこのような結果につながるということを理解したうえで、ごく初期のうちに

 

・借主本人と連絡を取り状況を把握する

・連帯保証人への連絡

・必要に応じて、大家さん・借主・連帯保証人3者での協議

 

を行い、状況の改善に努めることが大切だと言えるのではないでしょうか。

 

 

 

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