シェアハウスには既存の物件を活かしましょう! ~物件の種類ごとのポイントと注意点~
「シェアハウスはコンセプトが大事!」「オシャレなインテリアで!」などと聞くと、もしかしたら
『うちの物件は古いから…』などとあきらめてしまう大家さんもいるのではないでしょうか。
実は、そうではないんです!
シェアハウスは、1から新築の物件を建てることはあまり一般的ではなく、逆に既存の築年数の経っているアパートや戸建て住宅を部分的にリフォームしたり、間取りを大きく変えるリノベーションをすることが非常に多いんです。
以下に、主な既存物件のタイプと、仮に新築でシェアハウス向け住居を用意した場合の留意すべきポイントをいくつかご紹介いたします。
☆戸建住宅・分譲マンション
シェアハウスに使われることが多いのですが、脱衣所内にトイレがある場合は脱衣所とトイレを分離する、元々が2部屋の和室で、その間が壁ではなく襖で仕切られている部屋などは壁を増設するなど、入居者同士のプライバシー確保するためのリフォームが大きなポイントです。
また、分譲マンションでは管理規約に「不特定多数へ賃貸、もしくは転借を禁止」等の規約が記載されている事があり、管理組合への確認が必須となります。
☆事務所・テナント
築年数が古くても、駅前や徒歩5分圏内の好立地などの条件次第で入居者が決まりやすい傾向にあります。
建物の構造上、既存の間仕切り壁を取り払って自由に間取りが決められる点もメリットですが、その分工事費用が高額になることも考える必要があります。
物件貸出後の収益とのバランスを見ながら検討することをおすすめします。
★新築
地域の法令に適応する設備・仕様で建てられるため、運営開始後に法令上問題となる事が少ないのがメリットです。
また、決めたコンセプトに合わせた間取や設備を完全に取り込むことが出来る点も新築ならではのメリットと言えます。
ただやはり、新築物件を1から建てるにはそれなりの資金が必要になるのは当然です。
既存の物件を上手く利用し、コストを抑えながらいかに魅力的なシェアハウスとしてよみがえらせることができるのか、そこに力を注ぐのも賃貸経営の1つの面白さではないでしょうか。
お持ちの物件が建っている地区はどういった層の入居者さまに需要があるのかなど調査をしっかりと行いながら、前回のコラムでもご紹介したシェアハウスの「コンセプト」を明確にし、しっかりと計画を立てていきましょう。
実際の入居募集~契約にあたって
その1 募集方法について
だんだんとシェアハウスの認知度も高まり、積極的にシェアハウスを扱う不動産会社も増えてきていますが、入居率を高めるためにはシェアハウスを探している方以外にも『ワンルームを探している方』などへも募集の窓口を広げ、広く募集をかけることを意識しましょう。
具体的には、まず初めに“シェアハウスのポータルサイトに登録”することが第一段階です。
現在は上記のようなサイトを運営している会社も多数あり、インターネットで「シェアハウス ○○(←地域名)」と検索した際に物件のポータルサイトを扱っている会社へ依頼すると効果的です。
その他の方法としては、物件紹介用に“ホームページを作成”してみるのも良いかもしれません。
最近は、無料でホームページを作成できるツールもありますので、大家さんご自身で簡単で構いませんのでホームページを作ってみてはいかがでしょうか。
ホームページを作っても、すぐに問合せが来るとは言い切れませんが、ポータルサイトや仲介業者の物件情報だけでは伝えきれない、入居者さま同士の懇親の様子やこだわりの設備など、よりリアルな情報を載せることで入居者希望者さまの関心を引くことができれば、長い目でみたときに心強い営業ツールとなることは確実です。
その2 募集条件について
『シェアハウス ○○(←地域名)』とインターネットで検索し、競合のシェアハウスの募集条件を確認してみましょう。
おそらく、大半の物件が「敷金/礼金/仲介手数料 なし」の条件になっているかと思います。
ただし、家賃の不払いや夜逃げなどを防ぐために幾らかのデポジット(保証金)を徴収することが多く、徴収したデポジットは、通常の物件のように退去時の原状回復費用には当てずに全額返却(※何もなければ)とすることが一般的です。
また、1物件を1家族に貸す場合よりも一ヶ月分の収益は基本的に高くなりますので、光熱費・共益費も賃料に含んでいることが多いのもシェアハウスの募集時の特徴です。
その3 契約形態について
シェアハウスの契約は「定期借家契約」を結ぶことが基本となります。
契約期間は、数か月~1年未満とすることが多いです。
※1年未満の場合、契約期間満了の通知をせず期間満了=契約終了となります
シェアハウス運営はここが大事!
物件の準備をし、募集をかけ、入居契約を結び、いざシェアハウスを運営していくとなった際に一番大切な事、それは「ルール順守の呼びかけ」です。
他人同士の共同生活の場となるシェアハウスは、入居者同士がいかにルールを理解し守っていけるかがとても大切です。
ルールを理解せず、コミュニケーションを上手くとろうとしないような方はシェアハウス入居にはあまり向いていないと考えられますので、入居審査の際は支払い能力だけではなく「協調性」といった部分やコミュニケーション能力についてもしっかりと大家さんが確認し、判断していくことが一般的な賃貸住宅よりも重要になってきます。
もし入居者同士で生活上のトラブルが発生した際、内容によっては大家さん自らが間に入って話し合いを行う必要も出てきます。
日頃から入居者さまとコミュニケーションを積極的にとることが、万が一のトラブルが起こった際にとても役立つはずですので、ぜひその点を意識しながらシェアハウス運営に挑戦していってください。
シェアハウス運用にご興味がある大家さんがいらっしゃいましたら、不安な点や気になる点など、いつでもご相談ください!
お問合せ、お待ちしております。