マンション売却コラム その2「住みながら売る場合に気になること~よくある悩みとは?」

/ J-REC公認不動産コンサルタント、宅地建物取引士

マンションに住みながら売る事ってできるの?その場合に注意すべきことは?

 

お住まいのマンションを売却する際、空き家にしておかなければいけないのか、または、住んでいる最中でも売ることができるのか?気になる方が多いようですが、結論としては、住みながらでも売ることができます。

ただ、すでに別の住居へ引越をしていて空き家の状態であれば、マンションの鍵を不動産業者が管理しますので内覧希望者がいつでも内覧することができますが居住中の場合はそこが難しいところです。

基本的には売主の立会のもと内覧に来ていただくことになるため、内覧希望者がいる場合は不動産業者が売主さん側の予定を確認し、予定を調整します。

そしてこの場合の内覧のアポイントメントがスムーズに行くか行かないかが売れる・売れないに大きく関わってきます。

というのも、不動産業者は内覧希望者の希望がピンポイントでない限り、希望する条件に合う物件を何件かピックアップし、売主さんにスケジュールを確認し内覧の予定を立てます。

ご自身のマンションの他にもう1件内覧希望者の条件に近い物件がり、ご自身へ内覧希望の提示をされた日は仕事の都合で立ち会いができず、結果としてもう1件の物件で内覧の話が進んでしまい、内覧をした方はそちらの物件を買ってしまった、ということはよくあります。

そうなってしまうと、もしその時に都合がつけられていたら…と後悔してしまうのではないでしょうか。

いつ何時も都合を合わせることはやはり困難ですが、売却のチャンスを逃さないために以下のポイントは押さえておいたほうがよいでしょう。

その1:不動産業者へは常時連絡が取れる携帯番号だけではなく、メールの連絡先も伝えておく

その2:内覧希望には極力スケジュールを調整し、万が一都合がつかない場合は、立ち会いの代理をお願いできる人を用意する

その2については、このような場合を想定し、ご両親やご親類、もしくは信頼のおけるご友人などへあらかじめ依頼をしておくことをおすすめします。

 

 

売りに出すことをマンションの他の住民に知られたくない…

 

新築分譲マンションの場合、他の入居者さんは売りに出していないタイミングで売却するとなると、マンション内で初めての売却になり、マンション内で売却を検討している方にとっては売値の基準になってしまうためできれば注目されずに売りたい…といったお話をよく耳にします。

中には、ご近所に噂好きなご近所さんがいて、売却を検討していることを知られたくない、あれこれ詮索をされたくない…といった事情がある方もいるようです。

色々な理由がありご近所に知られずに売却をしたい方は多いようで、実際にそのような事ができるのかどうかですが、できないわけではありません。

売却がご近所に分かってしまう主な理由として、1番目は「チラシ広告」です。

週末に多く配られる不動産広告に掲載されていると広告を見た他の住民が『自分のマンションだ!』と気付かれ売値も分かってしまいますし、空き家にして売却する場合は不動産会社がオープンハウスとして内覧会を実施することで周囲に売却中ということが分かってしまいます。

また、意外なところで知られてしまうきっかけになるのがマンションのエントランスです。

不動産業者が訪ねてきた際に、マンションのオートロックのエントランスでインターホン越しに『〇〇不動産の~です!』と名乗った時に近くにマンションの住民がいて売却を検討していることが周囲にばれてしまうことは大いに考えられます。

そこで、同じマンションの住民に知られないように売る場合にどうすればよいかですが、

方法1:広告の仕方を検討する

新聞の折り込みの場合、ある程度の地域は限定できますが「住所」を指定することはできません。

しかし、新聞の折り込みではなくポスティングの広告の場合は「このマンションには入れないでください」といった配布禁止先の指定ができます。

また、インターネットの広告は紙媒体の広告に比べ、探している方にしか目に入らない可能性が高いといえますので、周りに知られずに売りたい方にとっては良い手段だといえます。

しかしながら、同じマンションの住民の方が見ていなくても、住民の知り合いの方がご覧になることは考えられますので、完全な方法ではないことは認識をしておいたほうが良いでしょう。

 

方法2:不動産業者へその旨を伝え、周囲に知られないような対応を依頼する

不動産業者の担当者へ、周囲には売却を知られたくないという意向をしっかりと伝えましょう。

訪問の際には「不動産会社」とは名乗らず、担当者の個人名のみで名乗るようお願いをします。

また、“広告一切不可”として、不動産会社の店頭にきた方だけに物件を紹介していただく方法もとる事が可能です。

ただ、広告を一切不可にしてしまうと物件を探している方の目に留まる機会も必然的に少なくなり売れにくくなるというデメリットにつながってしまいます。

 

こういった方法をとる事で、他の住民の方に知られずに売却をすることはできますが、少しでも早くマンションを売却するには、多くの方に物件情報をお知らせし、一組でも多く内覧にきていただくことが一番の近道です。

 

 

 

住みながらのマンション売却は、次の住居への転居のタイミング等もありなかなか難しいかもしれません。

いざ売却を決めた時に動き始めるのでは十分な下調べができないこともありますので、売却を検討し始めた際に少しづつでも色々と調べてみることをおすすめします。