外国人入居はどうやって集客したら良いの?
前回に続き、「外国人の入居管理」についてのお話になりますが、今回は“募集段階”そして“契約に当たってのポイント・コツ”など、実際に外国人の入居対応を進めて行くうえで必要となる知識をご紹介したいと思います。
住宅を探す・入居を決める上で、何に魅力を感じるのかは、文化の違いや国民性によっても違います。
外国人向け集客は、今までの日本人に向けた集客方法とは違うということを知ることがまず大切です。
~ 物件の情報収集はどこから? ~
今までは、外国人向けのフリーペーパーや新聞、住宅情報誌などの紙面が一般的でしたが、現在はPC/スマートフォンの普及によりインターネットを通して賃貸住宅の情報を得ることが一般的になりつつあります。
インターネット上の在留外国人向けSNS(交流サイト)からは、住宅の間取りや賃料だけではない、口コミなどのリアルな情報が手に入るため、利用者はかなり多く、外国人の集客に特化した住宅情報サイトを作成する事も1つの手段ですね。
~ 日本人との違いを意識する ~
一般的にですが、日本人よりも「スピード」重視であることが多く、契約までにあまり時間や手間をかけたくないといった傾向があります。
日本人は内覧の場で契約に至ることはあまりありませんが、その場で契約まで進むことも多いのが特長です。
また、日本人にとって当たり前であったり、「丁寧」と受け取る部分が外国人にとっては「無駄」「遅い」と受け取られることもあるようです。
ただし必要な工程を省く訳にはいきませんので、
・ご連絡はまとめて済ませる
・いつ契約になっても良いよう、書類等準備をしておく
・速さがポイント!
などを気にしながら対応していく事が良いと思われます。
~ 入居の決め手は日本人と違う? ~
物件に魅力を感じてもらうには「外国人に好まれるサービス」の提供を考えることも大切です。
好まれる設備やキレイさなどの住環境は日本人とさほど変わりはありませんが、例として、日本では学生さんや単身赴任中の方などに需要のある“家具・家電付き住宅”は、外国人にとってはメリットとならない事が多いようです。
「〇〇は持っているから必要ないので、その分家賃を下げてほしい。」
と、家賃を安くする交渉につながってしまう事も。。。
そのため、『家賃には反映されていないこと』を明確に伝えるか、『今なら〇〇は無償で貸し出します!』という伝え方の方がメリットに感じてもらえたりしますので、売り出し方の工夫が必要です。
外国人の入居審査・契約に関するポイント
入居審査は何か特別なことが必要なのか?と疑問に思う方は多いと思いますが、
①日本語能力/マナーの理解
②在留資格/証明書類の確認
が外国人の入居審査時のポイントとなります。
①日本語能力/マナーの理解
こちらは、面接を通してある程度判断ができます。
在留のきっかけ・理由、現在のお仕事の状況など。
来日して間もないと、スムーズに理解や受け答えができない場合もありますが、数か月もすれば日本語の会話能力はある程度身につく事が多いです。
「日本語が流暢か」よりも、質問に対して答えようとしてくれているか、伝えようとしてくれているか、が大切です。
②在留資格/証明書類の確認
・在留カード(旧:外国人登録証明書)
在留資格と在留期限を確認し、コピーをとりましょう。
賃貸契約期間中に在留期限が切れる場合は、その後の更新についても確認することを忘れずに。
・パスポート
本人の情報/旅券番号が記載されている欄、ビザについて記載されている面を確認しコピーをとりましょう。
・就労証明書/在学証明書
念のため、仕事先や通学している学校とも連絡が取れるように提出いただくことをおすすめします。
外国人の入居の際に注意すべきこと
入居審査の次は、実際に「契約~入居」と進んでいきますが、こちらで注意すべきポイントがいくつかあります。
こちらの目次では、それらについて詳しくご説明していきたいと思います。
~ 契約 ~
出身国の生活環境や習慣の違いにより、他住民や大家さんとトラブルが生じないよう注意が必要です。
・家賃滞納 ・無断帰国 ・無断転貸 ・生活騒音 ・ゴミ出し等のルール遵守 ・契約外人数入居
等が主なトラブルである事が多いです。
「言った」「聞いてない」のトラブルが発生しないよう、事前に契約書に記載されている内容についてしっかりと読み合わせ・説明を行い、控えを手渡し、確認・同意のサインをもらうようにしましょう。
~ 敷金・礼金のシステムについて ~
日本では当たり前のように認識されている「敷金・礼金」ですが、外国の方にはなかなか理解しづらい部分があるようです。
「契約金」とする、または、契約時に「退去時のクリーニング費用」として入居時に徴収するなど、分かりやすい代替案を提示することをおすすめします。
~ 一番心配な「無断退居・無断帰国」 ~
外国人入居の際にやはり不安に思う点ではないでしょうか。
こちらについては、「契約から退居までの流れ」を入居時だけではなく更新時にも改めて説明し、書面で提供しましょう。
また、無断退居や無断帰国の抑止力として『無断退居の際は母国の大使館/入国管理局へ連絡します』とはっきりと伝え、契約違反時の危機感を持っていただくのも有効です。
外国人入居について、
「受け入れたいけど不安がある」
など、物件管理のお困りごとがありましたらぜひ、ご相談ください!