現在人気の賃貸物件とは?

/ J-REC公認不動産コンサルタント、宅地建物取引士

 

空室をなんとかなくしたい、そう思っているオーナー様にぜひとも考えていただきたいこと。

それは “人気物件の特長と傾向” です。

実際に賃貸物件を探す際に、駅からの距離や家賃はもちろんのこと、間取りや内装、設備といった、実に多くのポイントを比較しながらお客様は物件を選んでいますので、数あるポイントの中から、お客様に人気のある物件の特長や傾向をつかむことがまず空室解消に近づくための一歩となります。

 

 

 

物件(部屋)の入居の決め手となった一番のポイントに上位でランキングするものには以下のような条件・設備が挙がっています。

 

・間取りや広さ

住む人数、生活スタイルによって1LDK 、2LDK、3DKなど、希望の「間取りと広さ」はやはり重要視されています。

・駅から近い、通勤に便利

職場に乗り換えなしで通勤できる沿線上をメインに探す方は多くいらっしゃいます。

・賃料が予算と一致

やはり、いくら駅が近い、希望どおり(もしくは希望以上)の間取りだとしても毎月の出費の大きな部分を占める家賃ですので、「予算の条件と合うかどうか」は大きなポイントです。

・バス、トイレ別

ワンルームや築年数の経っているアパートによくみられるトイレ一体型のお風呂ですが、最近は避けられる傾向にあります。特に若い世代のお客様にとっては「バス・トイレ別」というのは必須のようです。

・収納が多い

お子さんのいるご家族や女性のお客様には「収納の多さ」が決め手になるケースが多く、どうしても増えがちな身の回りのものを整頓できる収納は大きなポイントです。

・お風呂の追い炊き機能

特にファミリー向けの賃貸物件では、お風呂に入る人数も多く、湯船にお湯をはって入浴することが多いため、簡単に沸かし直しができる「追い炊き機能」がお風呂についているかどうかといった部分が重要視されているようです。

 

上記には、「駅から近い・通勤に便利」といった既存の賃貸物件ではどうしようもない点もありますが、それ以外のポイントは設備改修・リフォームなどで対応が可能です。

物件の空室を長引かせないために、気になる点があった場合はなるべく早めの対処をおすすめします。

 

 現在人気の間取りって?

 

空き部屋対策として有効なのは、入居者に好まれるアパート・マンションにすること。

お客様の要望はそれぞれですが、中でも部屋の間取りが大きな部分を占めているのは事実で、以前とは賃貸入居者層の世帯構造が違っていたり、ライフスタイルの変化もあるため求められている間取りが昔と変わってきています。

今回こちらでは、賃貸物件の間取りについて現在どういった間取が人気があって選ばれているのかを紹介いたします。

お持ちの賃貸物件のリフォーム・空室解消計画の際に参考としてお役立てください。

 

~収納スペース~

最近は、賃貸でも収納スペースを重視する方が増えており、特に都心・都心近郊のお客様は、単身でも所有物の多さや整理・整頓(物を見えるところに置きたくない)の希望から、収納スペースがあるかどうかと、収納の容量についても条件の一つとして挙げています。

洗面・脱衣所には洗濯や浴室で使う洗剤・シャンプー、タオルなどを収納できるスペース。そして、一番人気が高いのが物置としても使えるウォークインクローゼットです。

そしてさらに、玄関横に収納スペースがある物件も増えており、こちらもぜひ取り入れていただきたいスペースです。

ベビーカーや子供の自転車などをサッと手軽に収納できることから、お子さんのいる世帯や、アウトドアやゴルフなどの趣味をお持ちの方などを中心に喜ばれています。

 

~オープンLDK~

以前の賃貸物件は、リビング(L)、ダイニング(D)、キッチン(K)、がそれぞれ区切られていたり、リビング(L)がなく「ダイニング(D)+キッチン(K)」といったタイプが主でした。

しかし最近は、LDKに区切り(間仕切り)のない「オープンLDK」が主流になりつつあります。

オープンLDKは「開放感」や「ゆとり」を感じられることに一番の特長があります。

部屋全体を見渡せるため、家族やお客様との対話のしやすさもポイントで、キッチンに立ちながらリビングで遊ぶ子供の様子も見守ることができるため小さなお子さんのいるご家族に人気があります。

ただ、オープンLDKは「キッチンの熱や匂いがリビングにも広がってしまう」といった点があり、空調のきき具合や、換気など、実施に住んでみてデメリットを感じる部分もあるようです。

 

 多少家賃が高くてもほしい設備はこれ!

 

既存の物件では、どうしても構造上の問題や費用の問題で間取りを大きく変える選択が難しいケースもあります。

その場合は、後付け可能な「設備」を工夫することなら比較的取り入れやすいのではないでしょうか。

 

以下で紹介する「全国賃貸住宅新聞」に掲は毎年全国の不動産会社約370社からのアンケート結果を集計した“入居者に人気の設備ランキング”が掲載されており、入居者の最新の二ーズを把握するにはとても有効といえますので、ぜひ参考になさってください。

 

◇ 昨年(2017年)の入居設備人気ランキング上位設備は? ◇

 

<TVモニター付きインターフォン/エントランスのオートロック>

TVモニター付きインターホンとエントランスのオートロックは単身者・ファミリーどちらのランキングにも上位にランクインしています。

「配送業であれば出るけどそれ以外は不用意に出ない」と考えている方も多く、来訪者を判断するためにTVモニター付きインターホンの人気が高く、更に、ホームセキュリティやエントランスのオートロックについては家賃上昇賃料が3000円程度であれば「あるなら高くても入居を決める」としている方が多いようです。

 

<宅配ボックス>

運送会社の長時間労働や再配達の負担から需要が増えた宅配ボックスが一昨年の8位から昨年は3位にランクアップ。

ネットショッピングの利用は今後さらに増えていくと考えられますし、受取る側・配達業者さん、双方の負担を考えると宅配ボックスの需要は高まることが確実だと思います。

仕事などで不在にしていても荷物が受け取れる宅配ボックス。

あるかないかが入居の決め手になるのであれば、ぜひ前向きに宅配ボックスの設置を検討してみてはいかがでしょうか。